性悪男子の甘い毒




春に土砂降りの雨が降るある日の事。


放課後、大雨の外を眺めて叶芽と2人でため息を吐いた。


「今日すっごい大雨だね…」

「帰る気失せるっつーの。これ以上ひどくなる前に帰るぞ」

「あはは…そうだねっ‼︎」


机の上のカバンを持ち上げた時、ブレザーのポケットに入れたスマホが鳴った。


表示された名前は〝平塚美希〟。


珍しい〜。


『今から会えませんか?
図書室で待ってます。
急ですみません(>_<)』


なんて、呼び出し…?


「晃椰ー?帰らないの?」

「…わりぃ、叶芽。今日、新太達と帰ってくんね?ちょっと用事出来た」

「用事?」

「ん。美希が俺に用事あるみたいで。待たせんのもアレだし…」

「あー…うん。分かったよ」


腑に落ちない表情に見えたのは気のせいか。


叶芽の頭を数回撫でて、俺は図書室に向かった。


こんな土砂降りの日で、大体のヤツらが早く帰る時になんの用事だろ。