性悪男子の甘い毒




長くてバイト漬けの夏休みも終了した学校。


窓全開の教室も蒸し暑くて、勉強なんてやってらんねぇ……。


なんて、机に突っ伏して過ごす6時間の現代文の授業中。


「おーい…。晃椰…‼︎」

「なんだよ…新太」

「今日の帰り、コンビニ行こうぜ…‼︎アイス食いて〜…」

「賛成。暑くて限界…」

「コラ‼︎高槻君と上杉君‼︎私語禁止‼︎授業態度ぐらい良くしなさい」


隣の席同士で交わす会話も、おばちゃん先生が遮断。


俺ら、テストの点数最悪だもんな…。


2人で苦笑いして謝っといた。



放課後、眩しいほどの金髪頭の新太と来た学校近くのコンビニ。


店内涼しくて満足〜……。


「ちょっ、おい‼︎晃椰‼︎」

「ん?…あっ」


新太が俺のブラウスを引っ張り騒ぐ、視線の先には………


アイス物色中の叶芽と、友達の松宮未央ちゃん。


そして気付いた時には、俺の隣から新太は消えた。


「未央ちゃん、叶芽ちゃん‼︎偶然〜‼︎」


なんで、わざわざ絡みに行くかなアイツ‼︎


めんどくせぇ……。