駅に着いても電車が来るまで待っててくれる優しい彼氏。
電光掲示板の一番上に、あたしが乗る電車が表示されると寂しくなる…。
「もう電車来るんじゃね」
「うん。そろそろ行く。わざわざ、送ってくれてありがとう‼︎」
「いーえ。これも彼氏の仕事なんで」
「ふふっ‼︎何それ‼︎じゃあ……行くね」
なんて、改札を通ろうとした時。
パシッとあたしの手首を晃椰に掴まれた。
「晃椰…。どうしたの?」
「気ぃ付けて帰れよ。それから、夜暇だし…」
「分かった。今晩電話する‼︎」
「ん、電話待ってる。寝るんじゃねーぞ?」
ぐしゃぐしゃっと髪を撫でてくれた。
晃椰の言いたい事も自然と分かる様になった、ここ最近。
以心伝心ってやつ…?
「じゃあな。叶芽」
「またね、晃椰」
少し離れるだけでも寂しい。
ずっと晃椰の側にいられたら良いな。
高校生最後の3年生になっても、ずっと一緒にいようね。