なんだかんだ文句言いつつ、2人で進めたテスト勉強。
時計の針が差すのは、もう夜7時。
「外暗いな。泊まってけば?」
「バカじゃないの。明日も学校だし家帰るよ」
「冗談だって。せめて駅まで送ってく」
「わざわざ良いよ‼︎外寒いし、晃椰が二度手間になるじゃん‼︎」
「俺、お前の彼氏なんで。素直にちゃんと甘えとけば?」
ポンポンと優しく撫でられた頭。
晃椰らしくない優しい言葉に「うん」と小さく頷いた。
吐く息が白くなる寒い夜道。
晃椰の冷たい指先が、あたしの指先を絡め取った。
「寒いな〜。あったかいトコ行きてぇ」
「あたしも‼︎温泉とか行きたいなぁ」
「あー、それ良いかも。行くか?」
「ええっ⁉︎」
本人は至って真面目な表情。
晃椰からの提案なんて珍しいー‼︎
「行きたい‼︎めっちゃ行きたい‼︎一緒に行こうよ〜‼︎」
「家帰ったら、どっか探しとくわ。クリスマス近いし…」
「やっぱり、晃椰って優しいよね…」
「うっせーよ‼︎」
言葉は雑だけど、気持ちは優しい。
あたし今から楽しみだよ。