食べ放題の後は、新太の提案で4人でカラオケに行った。


基本、新太が未央ちゃんにラブソングばっか歌ってるから暇ー………。


「晃椰〜。なんか飲む?」

「飲むより何より帰りてぇ…」

「あははっ…。実は、あたしも帰りたい、かも……」

「2人で抜けちゃう?」

「ええっ⁉︎」


同じ気持ちってことで。


たじろぐ叶芽の細い腕を掴み、カバンを持ち上げた。


「新太。俺と叶芽、先帰るわ」

「えっ、マジ⁉︎もう少しいろよ〜‼︎」

「叶芽が用事あるから家まで送って来るから。またな」

「ごっ、ごめんね‼︎また遊ぼうねっ」

「残念〜…。バイバイ‼︎叶芽‼︎」


抜け出し成功。



街灯に照らされる薄暗い夜道。


叶芽の手を握りながら、ゆっくり歩いた。


「新太君と未央、めっちゃラブラブだったね‼︎」

「俺ら、ちょっと気まずかったよな」

「あたし達も負けてられないね‼︎」

「そこ張り合うとこかよ」


軽く小突けば、照れ笑いを浮かべる。


俺と叶芽も、新太達に負けてないと思うけど。