性悪男子の甘い毒




辺りが薄暗くなった夕方。


ホテルへの集合時間が近付くため、俺らの自由時間は終了。


叶芽は不服そうに口を尖らせた。


「もっと、2人でデートしたかった…」

「仕方ねーじゃん。また今度」

「えっ‼︎デートしてくれるの⁉︎」

「ん。だって、たまには彼女の要望聞かなきゃダメだろ?嫌われんの嫌だし」

「今日の晃椰、優しい…」


上目遣いで俺を見詰めて、ぎゅっと右腕に抱きつかれた。


言葉じゃ言えないけど………可愛いワケで。



そんな時、急に叶芽の脚が止まった。


「晃椰。あたし…あれ、乗りたいな」

「なに?…観覧車?」

「うん‼︎あたし観覧車乗った事ないの。ダメかな?」

「時間的にも今は無理だろ?」


宥めても俯き気味のまま。


そんなに観覧車乗りたいか……。


「絶対、観覧車乗せてやるから」

「ほんとに⁉︎」

「だから今日は我慢出来るな?」

「出来る‼︎約束ねっ」


笑顔のコイツと小指を絡める。


そのわがまま、俺が全部叶えてやりたくなるんだ。