放課後、叶芽の小さな手を繋いで学校を出た。
風が少し冷たい。
去年の今頃は、まだこんな関係じゃなかったよな……。
「どうしたのー?晃椰がボーっとしてる」
「いや、叶芽と一緒にいるのも長いなーって思って」
「まだ付き合って1年経ってないよ〜」
「でも、半年は経ったじゃんか。早いな…」
「楽しい時間って早く進むでしょ?だから、あたしも晃椰といる時間は、あっという間だよ‼︎」
ニコッと微笑む叶芽が無償に可愛くて、離したくなくて。
これからも、ずっと一緒にいてぇな。
俺の隣で笑っててほしい。
「やっぱデートしようよ‼︎」
「前も行っただろ〜?俺、今日眠い……」
「えぇ〜‼︎デートより睡魔⁉︎」
「そんなに俺といたいなら、俺んち来る?お前、抱き枕になるけど」
「行く‼︎晃椰と一緒にいられるなら、全然良いの」
…今度はちゃんと、デートしよう。
叶芽の言う事も聞いてやりたいからな。
夕方、俺の家に来た叶芽を腕枕して少しだけ眠った。
お前が隣にいたら、なんか安心する…。
他のヤツに余所見しないで、ずっと俺の側にいろよ。