昼休みが終わると、不機嫌面のまま俺の隣の席に座った。


怒ってるアイツの頬を摘めば、少し照れた表情を浮かべる。


「ご機嫌取りなんてしないでよっ…」

「叶芽が笑ってくれるまでする」

「いつもみたいに、ブスって言わないの?」

「今は言わねーよ。嫌われたら嫌だし」


ポンポンと頭を撫でると、ぷいっと顔を逸らした。


反応がイチイチ可愛いね……。


「…晃椰」

「ん?」

「次の数学、分かんないとこあったら教えてあげる‼︎」

「ははっ‼︎お前、単純‼︎」

「仕方ないじゃん‼︎あんなこと言われたら誰だって…‼︎」


顔真っ赤になってますけど。


叶芽のひとつひとつの表情が、もっと俺を好きにさせる。



「晃椰。今日の放課後デートしたいな…?」

「気ぃ向いたらな」

「えっ⁉︎さっきまで優しかったのに‼︎」


優しいだけじゃ、退屈だろ?


好きな子ほど、イジメたいんだって。