性悪男子の甘い毒




早く家に着いて…‼︎


こんなに強く思ったのは初めてかもしれない。


だけど、陽來君の言葉は止まる事なく………。


「好きだな…」

「えっ⁉︎」

「彼氏いるのは分かってる。でも、叶芽ちゃんが好きだ。俺と付き合ってよ」


中学の時は夢にも見た言葉。


あたしが一番望んでた陽來君からの言葉かもしれない。


「ダメ、かな?」

「…ごめんね。あたしは、あの人としか付き合えない」

「俺なら、もっと叶芽ちゃんを幸せに出来る‼︎」

「ううん。あたしを幸せに出来るのは…晃椰だけ。隣にいる人は、晃椰じゃなきゃ嫌なの」


ほんの数秒の沈黙が長い……。


薄暗い街灯の下、陽來君は悔しそうに呟く。


「フラれたか〜…。予想はしてたけど、ツライな……」



初恋で片思いしてた時。


あたしだってツラかった。


もう遅いよ………。



今は、晃椰があたしを幸せにしてくれてるから。


明日、学校に行ったらちゃんと晃椰に謝ろう。