幸せな夏休みを終えて始まるいつも通りの学校の日常。
夏休み明けの授業って寝てる人が大多数。
隣の席にいる晃椰もその一人。
柔らかい茶髪から覗く寝顔は、どこか幼くて可愛い。
ま、今回の席替えもきっと誰かのくじ奪ったんだろうけどさ……。
「叶芽、数学の宿題見せろ」
「いつの間に起きたのよ〜。たまには自分でやらないとダーメ‼︎」
眠そうな顔で目を擦る休み時間。
晃椰はいつも、教科書や宿題を忘れ過ぎ〜‼︎
「別に良いだろ〜、ブス‼︎」
「今のでもっと嫌になったわ‼︎」
「放課後、アイス買ってやるから。これで、どう?」
「…見せてあげるから、ノートすぐ返してよねっ‼︎」
「サンキュー。さすが、俺の叶芽ちゃん」
ごしゃごしゃ頭を撫でられるだけで、あたしは満足。
惚れた弱味………。
結局、晃椰を甘やかしちゃうんだ。
「ん〜…晃椰のこと好き過ぎる…」
「はっ⁉︎な、なんだよ急に…」
「そう思っただけ。好きだから、ダメなんだよね〜」
「暑さでやられた?大丈夫ですかー?」
いやいや、晃椰のカッコ良さにやられそうだよ。