アパートの3階があたしの家。


鍵を開けると、パートが休みのお母さんが迎えてくれた。


「叶芽、おかえり〜。って、隣の男の子は⁉︎」

「ただいま。えっと…着いて来たの…」

「初めまして。叶芽さんとお付き合いしてます。高槻晃椰です」


ニコッと可愛い笑顔付き。


いつもの毒舌、性悪どこいったの⁉︎


そんな可愛いモードの晃椰に、お母さんは簡単に騙された…。


「こんなイケメンの彼氏がいたなんて〜♪さ、どうぞ上がって〜‼︎」

「すみません。あと、お願いがあるんです」

「お願い?」

「はい。実は家の工事でガスや水道が止まるんです。なので、泊めていただけないでしょうか…」


あたし、その理由初耳。


さすがに泊めるのはねぇ〜……。


「あら、そうなの⁉︎可哀想に〜…。泊まりなさい‼︎」

「ええっ⁉︎お母さん、うち部屋数無いよ⁉︎」

「良いじゃない。こんなに良い子ほっとけないわ‼︎」

「嬉しいです‼︎ありがとうございます‼︎」


お母さん騙されてる〜‼︎



そして、お母さんのお気に入りになった晃椰はウチに。