【叶芽side】
すっかり散ってしまった校庭の桜が、遠くに見える体育館裏。
藤咲叶芽、多分ピンチです…‼︎
同じ学年の派手めな女の子5人組。
あたしを取り囲み、普段見せない形相で睨まれる。
「アンタさ〜、ちょっと顔可愛いからって調子乗り過ぎ‼︎」
「言っとくけど、晃椰に遊ばれてるだけだよ?」
「黙ってないでなんか言えよ‼︎」
ひゃぁぁぁ〜‼︎
めっちゃ怖いって‼︎
放課後、呼び出しされて素直に着いて行ったらこの様。
「マジでアンタ、ムカつく‼︎」
「…っ‼︎ご、ごめんなさい…‼︎」
制服の入れ首をぐっと掴まれた時。
恐怖心でぎゅっと目を瞑ると、大好きな人の声が………。
「俺の彼女に何やってんの?」
「こ、晃椰‼︎これは…えっと…」
「お前らがイジメんの絶対ダメ。叶芽に文句あんなら俺に言えよ。俺が、叶芽をイジメっから」
イジメる⁉︎
これって助けてくれたのかな⁉︎