せっかくキレイにしてたテーブルの上も書類だらけ。
ガキの頃から見慣れた光景だけどさ…。
「ねぇ、晃椰。コーヒー無いの?」
「ないね。オフィス戻った方がいんじゃね?」
「そんなに出て行かせたいワケ?出て行くなら、アンタでしょ」
うわ、正論。
家賃も名義も母親だし…。
なんも言えねぇや……。
テーブルにあった名刺が目に入った。
『高槻 玲子-Reiko Takatuki-』
代表取締役ね……。
俺が生まれた時から、ずっとデザイン会社社長として働いていた。
だから、ほとんど母親に育てられた記憶ナシ。
「あ、そうだ。口座に今月分のお金入れといたから。やりくりしてね」
「分かった…」
「あと、しばらくオフィスじゃなくて、ここで生活するから。少し仕事落ち着いたの」
「…あっそ」
今までまともに一緒に暮らした事がない。
こうゆう時、どうして良いか分かんない俺は荷物をまとめた。
そして何も言わずに、新太の家に逃げた。

