性悪男子の甘い毒




俺の内側を見てくれる子じゃないと無理。


この子も見た目だけで集るヤツらの1人か。


「お付き合いダメ、かな…?」

「ごめん。見た目だけで好きとか言われんの迷惑だから。俺のことなんも知らねぇだろ?」

「これから知ってくから…」

「無理。それに、俺はアンタのこと好きじゃない」


目の前で泣いて女の子が走ってく。


これでまた俺は〝性悪〟って騒がれると…。


はぁ〜……告白とか、彼女とかめんどくせぇな…。



「…最低。今の言い方はひどい‼︎」

「はぁ⁉︎ちょっ、なんでお前…」


振り返ると、藤咲叶芽が立ってた。


しかも、すげーキレてる。


「女の子の気持ち踏みにじった…。あの子がどんな気持ちか分かってる⁉︎」

「傷付くならコクらなきゃ良いだけだろ」

「何それ…。あの子、アンタのこと大好きなんだよ⁉︎告白する時の緊張とか、勇気とか……分かってない‼︎バカ‼︎」

「は?お前…泣いてんの?」

「泣いてない…っ」


目を擦って俯く。


俺…泣かせた⁉︎