性悪男子の甘い毒




夏休みまで1週間を切った頃。


クソ暑い上に、教室は半分以上が男でむさ苦しい…。


つい数年前まで男子校だった影響か…。



そんな猛暑日の昼休み。


クラスのヤツが俺のところに来た。


「晃椰〜。D組のアヤちゃんが旧校舎裏まで来てほしいだってさ‼︎」

「えー…暑い…」

「文句言わないで行ってやれよ‼︎絶対、告白だから‼︎」


尚更、腰が重たいわ。


D組のアヤちゃんって誰だよ…。


隣のクラスなのに顔覚えてねーや。



日差しを受けながら、旧校舎裏に行くと茶髪の女の子が立ってた。


恥ずかしいそうに俯いて。


「あっ、こ、晃椰君‼︎あの…っ、急に呼び出してごめんね…?」

「いや。どしたの?」


言われること分かり切ってるのに、聞く俺も俺だ。


「…す、好きです‼︎入学した時から、ずっと好きでした…。付き合ってほしいです…」

「ありがと。でも、俺のどこが好きなの?」

「えっ‼︎そ、それは〜…爽やかでカッコイイ、とこ…とか」


やっぱり、この子も俺のことなんて何にも分かってない。


外だけ見てコクるんだ。