唇が離れると涙目の叶芽。


ちょっとイジメ過ぎたかな…。


「晃椰君…」

「もうそろそろ、その呼び方やめろよ」

「えっ…」

「晃椰、で良い。お前、俺の彼女だろ?」


小さく頷き、俺のブラウスをぎゅっと掴んだ。


高く心地良い声で呼ばれる名前。


「晃椰……」

「なに?」

「すごい照れるけど、好きだから嬉しい…。晃椰のこと好き…」

「あ〜…もう、可愛いこと言うな‼︎キスだけじゃ足りなくなるっつーの」

「可愛くないもん。晃椰が、カッコイイ…」



昼休み中、ずっと叶芽を膝に乗せてキスばっか。


超満たされる……。


そんな俺らを現実に引き戻す、昼休み終了のチャイム。


「…あっ‼︎あたし、お昼食べてない‼︎」

「うわ…俺も。腹減った〜‼︎」

「もう購買売り切れだよね…」

「仕方ねぇ。帰りになんか食ってくか?」

「いいね〜‼︎行こう‼︎」


お前となら、どこでも楽しい。