【晃椰side】
冷たい風が吹き抜ける放課後の下駄箱。
意味も無くスマホをいじり待つこと約15分。
高く心地良い声が俺の名前を呼んだ。
「晃椰君‼︎」
「遅ぇよ、バカ」
「ごめんね‼︎掃除当番長引いちゃって…。ほんとにごめん‼︎」
手を合わせて必死に謝る叶芽が、無償に可愛くて。
簡単に許しちまう。
待つこと大嫌いなのに…。
「帰りに何か奢るよ‼︎ねっ?」
「仕方ねぇなー。今日だけ許してやる」
「ありがとう‼︎なんだかんだ晃椰君は優しいもんね〜」
「…うるせー、ブス」
「最低‼︎ひどい‼︎」
照れ隠しで、わざと叶芽から顔を逸らす。
だけど、ちゃっかりお前の小さい手は握るんだ。
お前に褒められたら俺は単純に嬉しくなるから……。
俺、こんな単純だったっけ?
でも、彼女になった叶芽と一緒にいる時間はかなり増えたと思う。
一緒に帰るのはもう日課だし。

