私たちが恋に落ちるのは一瞬。



それはいつ、どこで、だれと、どんなふうに起きるのかなんて誰にもわからない。



私はカフェ・ボヌールで、柳田さんに恋をした。



いつなんてわからない。



知らないうちに、いつの間にか好きになってしまっていたんだから。



私は今日もカフェ・ボヌールに足を運ぶ。



私の恋した彼に会いに。





カランコロン──



「いらっしゃいませ。お待ちしておりました、姫ちゃん」



「こんにちは、悠真くん」



案内される席は私と彼の特等席。



「ご注文は?」



「いつもの…」



「「カフェラテ」」



ふふっとふたりで笑い合う。



そんな時間が幸せです。



いつかきっと、あなたに伝えたい。



──あなたが、好きです。



と。