「外に憧れる王女サマって…」 「…なによ…」 「いや、俺はそういうの嫌いじゃないなって」 そう言って微笑むと、彼の黒髪が風によってふわり、と揺れた。 まるで、黒猫みたいで、綺麗だと思った。 「……それじゃあ、王女サマ」 「なに…?」 「そんな貴女サマにひとつ提案」 ……? 「―――俺と一緒に外の世界へ行くかい?」