「ネオ…! さすがにこのままで行くのは…」 「大丈夫。大通りまでだから!」 それはまるで子どもが何か悪だくみを考えたような笑みで、にやり、と笑うと一気に駆け出した。 「…ネオ」 「何?」 軽快に走りながらも、平然と言葉を返してくれる。 「―――ありがとう。」 ただそれだけ言って、大通りに着くまでネオの胸に顔をうずめた。 あの時、私がネオに感じた恐怖は、もしかしたら私の知るネオがどこか遠くへ行ってしまったように感じたからなのかもしれない。 ――今は、そう思うことにしよう。