そして、その体はあっけなく崩れ、どさり、と倒れた。
まるでスローモーションのように、倒れるまでの一場面が流れる。
私は、その経験したことのないものに、呆気にとられてしまった。
どれだけ、呆けていたのか。
ふと気が付くと、すぐ目の前にネオがいて。
「…お嬢さん、ごめん」
目が合って言われた言葉は、とてつもない悔みを含んでいた。
「…あ、えっと…、なんでネオがあやま…」
「あんたを、危険な目にあわせるつもりはなかったんだ」
「でも、私、どこも怪我してない…けれど。
…それに、これは私が言ったことよ」
本来ならば、謝らなければいけないのは私の方なのに、先程から言葉が見つからない。
「…お嬢さん…、…俺が、怖い?」
明らかに態度の違う私を見て、ネオは静かにその核心に触れてきた。


