ゆっくりと、ネオも近づいてくる。 私も反射的にゾワリ、とする。 「…悪いけど、盗った鞄も返してもらうよ」 その言葉に、盗人もさらにたじろぐ。 「お前にこれを返したところで、何になるんだよ!」 「何にもならないさ。…むしろ関わりたくないね」 ただ…、とネオが続ける。 「―――お嬢さんが望むのなら、俺はそれに従うだけだ」 それだけ言うと、ネオは盗人に一気に詰め寄った。 はたから見てもいい蹴りが、見事に脇腹にクリーンヒットする。 ああ……、痛そう…。