完全に扉が閉まったことを確認して、私は口を開く。
「伝達役?」
「…あー、うん、今回はね。
まあつまり一言で言っちゃえば何でも屋だよ。
いろんな依頼を引き受ける」
「そんなものがあるのね!」
「言っただろ。そんな綺麗なものじゃない」
感嘆する私に、時には…。と続けようとした言葉を無理やり止める。
まただ。
ひとつの違和感。
ネオの瞳に一瞬かかる影。
「…とても、綺麗よ」
「何言って…」
「ネオは、とても綺麗だわ」
ふふ、と笑うと、それを唖然と見ていたネオが噴出した。
はははは、と盛大に笑う。
「やっぱあんた、面白いな。
こんな俺を綺麗だと言ったのは、あんたが初めてだ」
「…もしかして、馬鹿にしてる?」
「まさか!褒めてるんだよ」
笑いを抑えられぬまま、ネオが言う。
そんな光景を見て、このくだり、前にもあったな、と感じた。


