Blue Moon




行き着いた場所。

それは。



「――酒場…?」



しかし、今は昼時であって誰がどう見ても開いているようには見えない。



しかも木でできた扉には、<close>と書かれた小さな看板がぶら下がっていた。



「…閉まっているみたいだけど…?」


「いいのいいの」



そう言って、ネオはお構いなしに扉をあけて中に入っていく。


私も少しだけ大丈夫なのかな、と思いながらそのあとに続いた。




しかし、案の定。



「お客さん、まだ店は開けてないはずだが」



このお店のマスターらしき人が、入ってきた私たちに訝しそうな視線を向けて、少し棘のある言葉を投げてきた。




「頼まれたものがある」




そんな、威嚇にもとれる言葉なんて気にもせず、ネオは、折りたたまれた紙をマスターに向かって差し出した。