「ちょっと…!そんな高価なもの…」
「元お姫サマは倹約家だね」
「そういうわけじゃないけど…
私お金持ってないし…」
「気にすることはないよ。
俺も綺麗なものは好きなんだ。
――――はい」
目の前に差し出されたのは、先ほどのリボン。
この角度から見ても、光が反射して煌めいている。
「…ありがとう…」
受け取ったリボンを見ると、さらに綺麗で、つい見惚れてしまう。
「ああ、うん、そっちの方がいいな。
どういたしまして」
ネオのあまりにも柔らかく笑った表情に、一瞬だけドキリ、とする。
そんな心情を隠すように、私はすぐにリボンをつけた。


