「何か買ったの?」
「ああ、食糧。しばらくはこれで持つだろう。
それより、何か見ていたんじゃないのかい?」
「え、あ、ううん!
綺麗だったから、つい」
「ふーん…?」
と、ネオもその装飾品店を覗く。
「お、このリボンいいね」
「お兄さん、お目が高いね。
それはとても繊細な糸で紡がれたリボンでね、光に翳(かざ)すととても綺麗だよ」
それを聞いて、ネオはそのリボンを光に翳してみる。
店主の言った通り、光を浴びたリボンはきらきらと煌めいていた。
「…綺麗…」
そんな私の表情を見て。
「うん、すごく綺麗だ。
てことで、おじさん、これちょうだい」
そそくさと買ってしまった。


