「さて、それじゃあ行こうか」 「そうね」 決心をしてうなずたところで、あ、と気づき。 「あなたも行く?」 と、黒猫に問いかけると、まるで送り出すかのように、ふい、とそっぽを向いた。 「ははは、お前らで行けってさ」 「じゃあ、…このお城を、よろしくね」 今度は、小さくにゃあ、と一鳴きした。 なんて利口な猫だ。 「よし、早いところ出発しよう」 「そうね…、…っ!?」 と、返事をした瞬間、ふわりと持ち上がる体。