突然の言葉に、私は目をパチパチさせる。
「今、なんて…?」
「だから、俺と一緒に旅に行こうか、って」
聞き間違えなんかじゃない。
「…え、…えええええ…!」
あまりに驚きすぎて、つい零れてしまった叫びに恥ずかしくなり、彼に背を向けた。
…でも、外に出たかったのは事実だ。
でも、それでも私がここに留まる理由は、両親のことを忘れないためであって
…でも、外へ行きたい。
いろいろなものを、憧れた世界をこの目で見てみたい。
「…どうする?
まあ俺は、別にどちらでもいいけどね」
「…少し、ここで待っててくれるかしら」
「了解」
その答えを聞いて、私は私の部屋として使っていた場所へ全速力で向かった。


