「───────は?」 「トラックと接触事故。外傷はほぼなくて身体はピンピンしてるんだけど、頭を打って」 今度こそ彼は驚いたようで、私の顔を見たまま動かなくなった。 「あなたの記憶が、ないんです」 空の青と 雲の白と 彼の黒とが 滲んで、目の奥に突き刺さった。