the one day.

「お、水俣じゃん」


「あー、こんなところにいたのか」



緊張した雰囲気のクラスの中、親しげに会話をする二人に、みんな注目している。



「生徒手帳? 名前見ればよくね」


「そうなんだけどよ……」



水俣と呼ばれた男子は、持ち主の名前を呼ぶ訳でもなく、何かを考えているようだった。


彼が言葉を発しない間、そういえばと思い自分の生徒手帳を確認する。


……あれ?


朝、胸元のポケットに入れたはずの手帳が、なかった。


もしかして……?



「か、かみ……ちょう?」



水俣くんが名前らしきものを読み始めた。


ん? かみ……ちょう?


神長……。わたしの名字の一部。


わたしのかも……!



「あ、あの!」



勇気を出して水俣くんに話しかける。


顔を上げた彼に近寄り、手帳の名前を確認する。



「あ……。これ、わたしのです。ありがとうございます」


「お、おう」



彼は一度下を向き、自分の髪をくしゃっと掴むと、わたしに手帳を渡してくれた。


それを受け取ったところで、ちょうどよく担任となる先生が来た。


わたしは席に戻り、水俣くんも席に着いたところで先生の話しが始まった。