「よかった、完全に止まらなくて。」


「当たり前じゃん。

人間そんな簡単に死なないよ。

美波が言ったんだよ?」


「はは、そうでした。

トイレ行こーっと。」


私はまだ由茉と歩ける。

由茉と一緒に歩ける。


よかった……………



「美波、あのとき起こしてごめんね。」


「ううん。

嫌な夢見てたから起こしてくれてよかった。」


「美波、泣いてたから。」


「泣いてた?」


「うん。

でもどこか幸せそうだったよ。」


幸せそう、か…。


でも湊の夢なんか見たくなかったな…。

あんな顔、夢では見たくなかった。


いつか湊の本当の笑顔を

私は見ることができるだろうか…。