生きたい。




「由茉って呼んでいい?」


「うん。いいよ。」


「私のことも美波って呼んでね。」


「うん、わかった。」


「由茉のご両親は?」


「日本にいる。

最初はいたんだけど帰るようにいったの。


発作を起こして悲しんでる両親を見たくなかった。

私のいない家になれてもらった方が

私がいなくなったとしても寂しくないでしょ?


だから私はここに一人でいるの。」


「……………友達は?」


「いない。

友達つくったってさ

私が死んだら悲しむかもしれないじゃない。


ここの子だってね

みんな先に逝っちゃうの。


もう置いていかれるのは嫌なの。

だから私に友達なんかいらない。」


「……………そんなのもったいないよ。

さっきいったじゃん。

人生、楽しまないと損だよ。


私なんか、彼氏までいるよ?

私は彼氏に会うために絶対生きて帰るの。


大切なものは生きる希望になる。


だから私とは仲良くしてよ。

もし私より先に由茉がいなくなったとしても

もちろん悲しいけどそれでも仲良くなったことに

後悔なんか感じないよ?


私は由茉の友達になりたい。」


「……………ありがと。」