生きたい。




「いつからここに?」


「7歳。

生まれつき心臓が悪いの。

でも、病名はついていない。

私の心臓はどこで検査しても

病名がつけられたことがないの。


私は不明心臓病。」


「不明心臓病…。」


「原因がわからないから

私は移植しか手段がない。


でも、そこまでして生きる価値

私にあるかわからない。」



「生きる価値なんて自分でこれから見つけてくんだよ。」


私がそういうと

彼女はまたこちらを見た。


「長くても短くても

与えられた限りある命のなかで

どれだけ本気で笑えたか

どれだけ幸せを見つけられたか

それが人生の魅力だと私は思う。



短い人生だったとしても

幸せな人生だったらそれでいいと思う。


それで死ぬとき思うんだよ。


生まれてきてよかった。


私の人生、幸せでしたって。



そしてその時はじめて気づくんじゃないかな。

生きてきた価値を。自分の人生の意味を。」


……………私は何をいっているのだろう。

生きることを諦めた私が

偉そうなことを言えたことか。