納得のいってない様子の私に、真紀が聞く。

「肝心の佐倉さんは、どんな人なのよ」

「花をすっごく愛しちゃってる人」

「ふんふん」

「包容力があって、楽しい時は、目をキラキラさせちゃうかわいい人」

「うんうん」

「とくに桜の花がすごく好きで、桜の名所めぐりが好きな人」

「あ!だからじゃない?あんたのことが好きなの」

「え?」

「あんたが桜って名前じゃなかったら、興味なかったんだってきっと」

「そんなことない!私が桜って名前だってわかる前から、気になってたって!運命感じたって!」

「ほら」

 にやりと笑う真紀。

「名前なんてどうでもいいんだって。お互いが好きならそれで」

「……うん、そうだね」