タクシーを降りて、二人で歩く。 ライトアップされた本館周辺は、昼間以上に異空間だった。 だが、その光に懐かしさを感じる。 「……課長。 ありがとうございます」 と言うと、うん、と言ったようだった。 手をつなぎたいな、とふと思った。 子供の頃、手を引かれて歩いたみたいに。 だが、言い出せず、二人で、人波の中をゆっくり歩いて行った。