課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜




 そのあとも、なんだかんだで揉めるのに、運転手が笑って割って入ったりしているうちに、道後温泉に近づいた。

「課長っ。
 縁日ですっ。

 いや、縁日じゃないけど。

 ライトアップが縁日みたいですよっ」

 前を見て、身を乗り出す真湖に、
「よかったな」
と背もたれから背を起こさないまま、雅喜が言った。

 本当に疲れてそうだ。
 連れてきてもらって悪かったな、と思っていると、
「もう一度、風呂に入るか?」
と訊いてきたので、

「いえ」
と言うと、

「じゃあ、少し、待っててもらえますか?」
と雅喜は運転手に言っていた。