課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

「ともかく、お前は払わなくていい。
 俺が歩くのがめんどくさかっただけだ。

 お前ほど酒が強くないからな」

「いや、私も強くはないですよ。
 この間の記憶だってないし」

 じゃあ、と雅喜は言った。

「この間の詫びだと思って、取っておけ」

 え、と思った。

 雅喜はこちらを見ない。

 ……やっぱり、覚えてたのか。

 それにしても、私ごときのファーストキスに何万も払っていいのだろうかな、この人は、と思った。