「課長っ。
プラネタリウムですっ」
「見てる。
今、一緒に」
椅子に座ったところで、既に真湖ははしゃいでいた。
自分と同じで、プラネタリウムに来るのは、子供のとき以来だと言う。
きょろきょろと辺りを見回し、
「やっぱり家族連れとカップルが多いですね〜」
と言ったあとで、こちらを見、
「ああでも、はたから見たら、私たちもカップルみたいですよね」
と言った直後に、自分がなにを言ったのか気づいたらしく、
「すみませんっ」
と土下座せんばかりに謝ってきた。
いや、別にどう見えてようといいんだが。
どうせ、知らない土地だしな、と思いながら、
「カップルっていうのは、ただ、男女一組の組み合わせのことを言うんだ。
だから、別に俺とお前がカップルだと言っても、なんらおかしくなはい」
と言うと、
「課長は、本当に面白くない人ですね」
と言ったあとで、また、すぐに、
「ああっ、すみませんっ」
と謝ってきた。
「……お前は本当に失言が多いな。
だから、普段は話しかけて来ないんだな」
「いや〜、そういうわけでもないんですけどね〜」
とお前は商人か、と問いたくなるようなもみ手をしながら、言ってくる。
「時間だ。始まるぞ」
ふっと場内が暗くなった。



