課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

「おばあちゃんちから近いので。
 ああ、近いって言っても、車で二時間くらいかかりますけどね」
と言うと、何処が近い、という目で見られる。

「そうだ。
 萩には美味しいうどん屋さんがあるんですよ。

 東京とかにも同じ系列のお店がありますけど、今度……」
と言いかけ、しまった、と思い、笑顔のまま止まった。

 女の子の友だちと話すみたいに、今度行きましょうよ、と言いかけてしまった。

 ははは、と笑って誤魔化す。

「ところで、課長、これから何処行きます?
 行きたいところありますか?」

「ないでもないが、お前の方がいろいろありそうだ」
とこちらの顔を見て言ってくる。

 なんだったら、別行動でも、と言おうと思っていたのだが、何故だか、その言葉は出なかった。

「あのー、私はプラネタリウムとか、大山祇神社とか、村上水軍博物館とか。

 あと、温泉とか行きたいです」
と言うと、顔をしかめる。

「多いな。
 しかも、場所的に迷走してないか?」

 っていうか、戻ってどうする、と言われた。

「そ、そうですよね」

「だが、プラネタリウムは行ってみたいかな」

 小学校の見学旅行で行って以来だ、と言う。