課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

 こちらを見て雅喜は、
「望む式をやりたければ、もう一度やれ。
 とりあえず、一度、結婚するんだ」
と言ってくる。

 二度目、三度目があるんですか、もう〜と思いながらも、

「なんでもいいですよ、もう」
と呟くように言い、真湖もエンガワに手を伸ばした。

「教会も、もう知り合いに頼んで抑えてある」

「……もしかして、この間の、その電話だったんですか」

 本当に勝手な人だ。

 だが、まあ、その勝手さが今はそんなに嫌ではない。

 びっくりすることは多いが。

 恐らく、わかっていて悪党の羽村と、わかっていないのに問題児な三上を警戒してのことだろう。

 昨日、途中で帰り、今日も昼から出勤したせいか。

 会社から急ぎの仕事で電話がかかってきた。

 雅喜が席を立つ。

 響子は溜息をついて言う。

「……私にも雅喜の結婚には、夢があったのよ。
 ゆっくりお嫁さんとお嫁さんのお母さんとかと、式場見に行ったり、ドレス見に行ったりしたかったのに」