課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

「お前……」

 そういえば、課長が呑むかどうか、まだ確認してなかった、と思ったが、確か、酒の席で日本酒を呑んでいたのを見たことがある。

 呑めないこともあるまい、と勝手に課雅喜のテーブルを出してその上に瓶を置いた。

「はい、私の驕りです」

 おねえさんが、
「どうぞー」
と微笑み、白い杯を渡してくれる。

 なんと紙で出来ている。

 刻印の入ったそれを見ながら、
「可愛いですねー、これ」
と酒を入れる前に光に翳してみていると、雅喜が言ってきた。

「ちょっと聞いてみるんだが。
 お前、杯がついてなかったら、ラッパ呑みする気だったのか」

 ……そういえば。

「はは、まあ、小瓶ですからね」
と流すと、……そうか、と言われた。

 なにかちょっと呆れられている気もしたが、頼んでよかった、と思っていた。

 この杯も可愛いし。

「課長、注ぎましょうか?」

「いや、いい」

 まあ、そう言わず、と言ってみたが、
「やめろ。
 俺は宴会の席で、お前が震える手で注いでいるのを何度か見たことがあるぞ」
と言ってくる。