課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

 



「美味しいです、もうっ。
 最高です、この焼き牡蠣っ」

「……結局、こうなるわけだな」
とホテルのレストランでグラスワインを呑みながら、雅喜が言った。

 おじさん夫婦も来たので、両親はもう帰ってしまったが、真湖たちはついでに残ることにした。

「真湖ちゃん、ありがとうね」
とおばさんに言われた。

 おばさんだって、おばあちゃんの心配をしていないわけではないと思うのだが、なかなか嫁姑というのは、うまく伝わらないな、と思った。

 私とお義母さんは上手くやっていけるだろうか。

 いや……まあ、課長と結婚すればの話だけど、と思いながら、自分もワインを口にした。

 全面ガラス張りのレストランから、日の落ちた海を眺める。

 二人で景色を眺めながら食べられるように、カウンターのように席が横並びになっていた。

 期せずして、宮島に来てしまったので、そのまま、宮島と海の幸を堪能することにしたのだが。

「課長、もしや、旅行はこれで終わりですか」
と呑みかけのグラスをつかんだまま言うと、雅喜は溜息をつき、

「それはまた、伊勢に行けばいいだろ」
と言ってくる。

「そうですよねっ」
と安心して、ワインを呑み干した。

「……懲りない女だな」
とその呑みっぷりを見て雅喜が言う。