課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

「おやすみになられる場所までお連れしましょう」

 敢えて、家とも施設とも言わないのは、雅喜のやさしさだと思った。

 雅喜はそっと祖母を抱きかかえる。

 あらあら、と祖母は可愛らしく頬を染めた。

「まあ、真湖の絵本に出てきた王子様みたいだね。

 ね、真湖?」
とこちらを向く。

 行ったり来たりする祖母の意識は、今、正気に戻ったようだった。

「……そうだね、おばあちゃん」
と真湖は微笑む。

 本当だ、と思っていた。

 ステンドグラスからの光を浴びて、祖母を抱き上げる雅喜は、自分を抱き上げてくれたときよりも、遥かに格好よく見えた。