課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

 


 この間から美味しいもの食べすぎだ。

 真湖はエレベーターをやめ、わざわざ階段を上っていた。

 今度此処で、羽村に会ったら、一階から屋上まで響く声で、悲鳴を上げてやる、と思いながら。

 すると、上から聞き慣れた声が聞こえてきた。

 見上げると、雅喜が小声でなにか話している。

 ……なんだろう。

 階段でこそこそ話しているなんて、怪しいが。

 そっと見ていようかと思ったが、それも性格的に合わない。

 真湖は上まで行き、
「課長」
と声をかけた。

 すると、雅喜は突然、通話を打ち切った。

 ……なんだ?

 疑わしげな目で雅喜を見ると、
「なにしてるんだ。
 仕事しろ、仕事」
と言ってくる。

「課長は、お仕事中だったんですか?」
と今のちょっと怪しい感じのする電話を咎めるように訊いたが、

「そうだが?」
と雅喜は言い切る。