課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

「いや、私の中の勝手なイギリスの紳士のイメージですが」
と言うと、雅喜は溜息をつき、

「日本の男だって、普通に荷物上げるだろ?
 お前、今までどんな男と付き合ってたんだ」
と言われたので、

「誰とも付き合ったことないです」
と言うと、驚かれた。

「そうなのか……」

「なんですか、その申し訳なさそうな顔。
 別にいいんですよ。

 いや、男の子の友だちは普通に居るんですけどね。

 誰にもときめかないし、そういう展開にもならないし」

 雅喜は少し申し訳なさそうな顔をしていた。

 訊いて悪かったな、と哀れんでいるのか。

 或いは……

 やっぱ、覚えてんのかな、この人、と思った。

 誰とも付き合ったことのない人間にキスしてしまったことを。

 こっちが気を利かせて話題を変える前に、雅喜が変えた。

「そういえば、イギリスは短期留学で行ってたな」