雅喜は、三上に連れられて今は人気のない階段の方へと行く。 「課長、羽村はまだ、真湖―― 沢田さんを狙ってますよ」 いや……、お前も狙ってないか? と腕組みして聞きながら、雅喜は思っていた。 今、真湖って言いそうになったしな。 三上は階段の下の方をちらと見ながら、 「さっき、此処で、羽村が沢田さんに言い寄ってたんです」 と言ってくる。 「ともかく、課長。 羽村には気をつけてください」 と言う三上に、手を握られた。 「わかった」 と言いながら、お前にもな、と思っていた。