「五嶋課長」
仕事中、珍しく、三上が現れた。
あまり仕事で関わることはないのに、なんだろう、と雅喜は思う。
だが、顔を上げたが、三上はなにも言わない。
此処では話せないことなのだろうか。
あまり、仕事中の私語は好きではないのだが。
料理も釣りも上手く、飯ごう炊飯でも失敗せずご飯を炊けるらしい三上を内心、すごいやつだと思っていたので、仕方なく、
「此処ではできない話か?」
と訊くと、三上は頷く。
仕方なく席を立った。
真湖は居なかったが、見ていた礼子たちが、五嶋課長が、仕事中に私用で席を立ったよっ、と驚きの目配せをしているのが見えた。



