課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

 そのあと、いつぞやのお姫様抱っこの話が蒸し返される。

「浩ちゃん、火事現場から、美女をお姫様抱っこで助け出したりするの?」

「いや、そんなの滅多にないですよ。
 真湖も鎮火した頃帰ってきたし」

「でも、格好よかったよ、浩ちゃん。
 颯爽とホース片付けてて」
と言うと、三上たちが笑う。

「そのくらいいい身体してたら、簡単だろうね、お姫様抱っこ。
 あれ、結構大変だけど」

「それは楽勝ですけどね」
と言いざま立ち上がると、いきなり、座っている真湖の腿の下に手を入れ勝手に、ひょいと抱えた。

「こんな感じで」

 おー、と拍手が起こるが、雅喜だけが怒り出した。

「待て、浩太郎。
 そんな軽い女、ひょいと抱えてもなんの自慢にもならないだろう。

 やって見せるのなら、俺を抱えろ」

「いや、ちょっと……」

 三上が、
「羽村を抱えたらいいじゃん。
 たぶん、浩ちゃんの次に体重があるから」

 なんの会だ、これは。

 確かに、羽村が三人の中では一番、がっしりとして筋肉質だが。