課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜

「言ったでしょ。
 俺も羽村に対して怒ってるよ。

 彼女、別れてからも、いつも羽村の話をしててさ。
 あいつがモテるから、あてつけに俺と付き合ってただけなんじゃないの?」

 俺はただの当て馬だったんだよ、と言ってくる。

「男同士の友情もなかなかさっぱりしてないですよね。
 私と課長の方が余程さっぱりしてますよ」
と言うと、

「そこ、友情じゃないよね」
と突っ込まれた。

「さっぱりしたカップルってどうなの」
と笑われる。

「雅喜さんっ」
と前で話していた浩太郎が急に声を上げたので、驚いて、二人でそちらを見た。

「俺ねえ、昔から、真湖、いいなあと思ってたんですよ。
 まあ、一番好きって言うのと違うけど。

 なんとなく好きだったんですよ」

 なんとなく好きってなんだ……。

 そして、お前の心には、そのなんとなく好きが何人居るんだ、と思っていた。

 浩太郎は、雅喜の手を取り、握る。

「雅喜さん、真湖を、真湖をお願いします」

 選挙活動か。
 立候補した覚えはないが。