指輪はまだだが、探していた宿は見つけて、真湖は寝る準備をしていた。
洗面所から出てきた雅喜に、
「あ、おやすみなさい」
と笑って、自分の部屋に入ろうとすると、
「ちょっと待て」
と言われる。
「お前、ひとりでさっさと寝る気か」
「え、いけませんか?」
とノブに手をかけた真湖は言う。
「何故、お前はやりかけたことをいつも途中で投げるんだ」
なんだかまた職場の様相を呈してきたぞ。
「俺が好きかどうか確かめてみるんじゃなかったのか」
「いや、あの昨日、充分確かめられましたから、今日はひとりでゆっくり考えてみます。
……課長。
ちょっと、待ってください、課長っ。
眠いんですっ。
寝不足だからっ」
聞いてますか、課長っ、と訴えながら、真湖は引きずられていった。



